“花咲ガニ”の味って、どんな味なのでしょうか?
カニをそこまで食べたことの無い方にとってみれば、花咲ガニの味なんて想像もつかないかと思います。トゲトゲで色鮮やかな赤色の姿からは想像もつかないような、カニ本来の味に加えて花咲ガニにはまた違った美味しさがあるのです。花咲ガニの味について、今回は詳しくお話ししていこうと思います。
花咲ガニは、見た目通り硬く厚い殻におおわれているので、食べるときにかなりの苦戦を強いられるカニの代表格といえます。そして更に、甲羅はもちろんカニ脚の1本1本に鋭く尖ったトゲがたくさんついていることも、さばくのを困難なものにしています。苦労して取り出すそのカニ身は、驚くほど濃厚な味です。似ている味といえば、同じ甲殻類でいうとエビのような、深い甘みがあるのが最大の特徴だといえます。
花咲ガニは、タラバガニと同じくカニと名がついているものの、ヤドカリの仲間。甲羅の幅、厚み共にカニの中ではタラバガニと互角に競えるほどのトップクラスを誇るカニです。タラバガニよりも濃厚な味が楽しめる花咲ガニ。そのカニ身の濃厚さに加えて代表的な魅力が、カニ身の食感です。
大きくて太い立派なカニ脚をひと口パクリとほおばると、そのカニ身の繊維の1本1本をしっかりと感じることができます。舌で転がせば、その繊維が少しずつほぐれていき、同時に花咲ガニ特有の甘みとカニ本来のコクが味わえます。一噛みしたら、花咲ガニの香りが口いっぱいに広がり、何度噛んでもしっかりカニ身の繊維がプリプリしていて長く味わえますよ。その中でも特にカニの爪は、普段たくさん使っている部位であるためにカニ身がギュギュっと詰まっていて、他のカニ脚の身とはまた違った食感を楽しむことができます。他のカニでは味わえない濃厚さとプリプリ感…ぜひ、花咲ガニを一度召し上がっていただきたい理由です。
更に言うならば、カニ身を目一杯楽しみたい方には花咲ガニのオスをオススメします。それに対して、カニ身の入りが多少落ちたとしても、貴重な珍味でもある内子と外子を楽しんでみたいという方にはメスガニをオススメします。
大概に排出されずに体内に残ったままの未熟な卵である内子と、甲羅の外に出てきた卵である外子…この2つが、なかなか手に入らない貴重な味覚なのです。花咲ガニそのもの自体が大変手に入りにくいものです。ですが、内子にはカニ身よりも更にうまみが詰まっており、外子にプチプチとした食感は他では得られないものです。