“花咲ガニ”って、どこで獲れるどんなカニなのでしょうか?
未だ謎が多い花咲ガニ。その存在を知っている方が少ないことから、いったいどこで獲られるのかも想像がつかないという人が圧倒的多数を占めています。一度は食べてみたい花咲ガニ、どこで、どうやって獲られているのか、どういったカニなのかを知っておきましょう。
花咲ガニは、北海道でも東の方にある“根室”という土地の“花咲港”で水揚げされるのが代表的です。生息されているとされている範囲としては、ベーリング海から北海道の道北が接しているオホーツク海の沿岸、サハリンや千島列島といった海域で、北海道でわかりやすくいうと納沙布岬(のしゃっぷみさき)から襟裳岬(えりもみさき)にかけての太平洋側を中心とする海域と、先程ご紹介した根室半島にある花咲港周辺海域が主な水揚げ地です。
カニと一言で言ってしまっているものの、タラバガニやアブラガニ同様にヤドカリ科の甲殻類なので脚が爪を入れても全部で8本しかありません。タラバガニとの大きな違いとして挙げられるのが、生息海域は同じ分布をしているもののその水深は花咲ガニの方がかなり浅いと言われています。
花咲ガニの体の大きさは、甲羅の長さが15センチ前後といったくらいで毛ガニよりは大きく、タラバガニには劣るといったところでしょうか。もちろん、タラバガニにも勝る大きな体の花咲ガニも多く存在しますので、見た目に豪華なカニであるということがいえます。甲羅の中心少しへこんでおり、ハートのような形をしていてよく見るとキュートというのが愛嬌たっぷり。あとは、なんといっても体にびっしり生えているとげが鋭くて長いのがとても印象的です。カニ脚はタラバガニに負けないくらいの太さで、食べごたえ十分です。
名前の由来が、水揚げされ花咲港という地名からと先程ご紹介しましたが諸説あり、茹でたときに一気に鮮やかな赤色になり、花が咲いたように見えることから花咲ガニと世慣れるようになったという説もあります。漁場にたくさんの昆布が自生している海域によく生息していることから、昆布ガニと呼ぶ地域もあるそうです。ちなみに、花咲ガニの赤い色は、アスタキサンチンという甲殻類に含まれる赤い色素のせいです。アスタキサンチンは、今美容界でも騒がれている成分で、熱に反応して赤く発色する性質があります。
いかがでしたか?未知のカニ、花咲ガニについて少しは親しみをもっていただけましたでしょうか。