活蟹の処理の仕方…茹で毛ガニ
暖かい地域にお住まいの方には縁遠い蟹、それが毛ガニです。タラバガニやズワイ蟹同様、活蟹そのままの状態では長期保存することができませんので、手元に届いた後に必ずすぐに加熱調理をすることをおすすめします。毛ガニの茹で方は、他のカニと比べても特に気を遣うものです。大きさが小さいということもあり、茹であがりの時間が早いですし、脚が外れてしまっては味と風味がお湯に流れ出て行ってしまいます。他のカニよりも小柄な体に詰め込まれた濃厚なうま味を味わい尽くすためにも、細心の注意を図ってボイルしてきましょう!
活蟹は生きていますから、いきなり湯に入れると蟹の習性である「自切」というものが作用してしまって自らの足を切り落としてしまいます。蟹が自切をしてしまうと、傷口から蟹の美味しいうま味が湯に流れ出てしまいますし、必要以上に塩分が身にしみてしまい味が落ちてしまうので注意が必要です。よって、蟹の中でも小ぶりな毛ガニはボイルするにあたり全ての脚がそろった状態で行うのが理想です。
自切防止として、まずは輪ゴムで脚を固定しましょう。そうした後に蟹を冷凍庫に一時的に保管して安楽死させます。そうすることで、新鮮なまま自切して味わいを損ねてしまわずにボイルに取り掛かることが出来ます。
毛蟹が十分水に隠れることが出来る大きい鍋を用意しましょう。小さい鍋しか用意できないからといって蟹を切って茹でたりはしないようにしてください。先程も申した通り、切り口から美味しいうま味が逃げてしまいます。塩の量としては、水1リットルに対して335g前後が適量だといわれています。
そして、水と塩を鍋に入れ沸騰させましょう。沸騰したら毛蟹の甲羅を下にして鍋にいれます。毛ガニを入れると一時的に水温が低下しますが、そのまま、また沸騰してくるのを待ちます。じっくり鍋を観察してください。しばらくするとお湯が再沸騰して来ますから、ここから20分ほどで茹でましょう。季節や毛蟹の大きさ、鍋の大きさやガスの火力などによって微妙に茹で時間に差が出ます。毛ガニの場合は、カニミソをよく固まらせる必要がありますので自信のない方は少し長めに茹で上げると失敗しないと思います。
茹で上がった後はすぐに水洗いをしましょう。白い蟹の体液などが甲羅に付着している場合があるので、水を流しながら丁寧に取り除いてから思う存分召し上がってくださいね!